富士山山開きの前にちょっと考えてみてほしいこと

今春、富士山で同じ人物が短期間に2度救助されるという出来事がありました。
これをきっかけに、救助の「有料化」が検討され始められたようです。
その後、報道を見聞きしませんがどうなったのでしょうか?
それはともかく、富士山の山開きが目前になったこの時期にこそ、富士山に登るなら考えてみて欲しいことについて述べたいと思います。

静岡県知事、富士山「救助有料化」に急転換! 中国人大学生“4日で2度救助”が示した「県内政治の温度差」とは(Merkmal) – Yahoo!ニュース  富士山をめぐり、静岡県で遭難救助の有料化をめぐる議論が激化している。  4月、中国籍の大学生男性が富士山山頂付近でアイ news.yahoo.co.jp

富士山は特別な山

私が富士山(3,776m)に登ったのは、2018年7月、8年前のこと。
それまでに、槍ヶ岳(3,180m)や穂高岳(3,190m)など3,000m級の山に登ったことがありました。
標準コースタイムを切る時間で登ることもありましたが、富士山には登山初心者を含め11名が一緒に登ることもあり、いつもとは比べものにならないくらいゆっくりしたペースで登っていました。
山小屋にも宿泊し一人も高山病などにならないように努めました。
それでも、結局は仲間の一人が高山病に苦しむことになってしまいました。
槍ヶ岳や穂高岳に一緒に登ったときには高山病にならなかった高校時代からの友人です。
3,000mを超える山々で大丈夫だったものでも、富士山は別物、富士登山を安易に考えてはならないと痛感させられる出来事でした。

2018年7月15日日の出

富士山、夏の気温

平地では35℃を超えることもある7月〜9月初旬、富士山五合目の平均気温は16℃前後、山頂はわずか7℃程度だそうです。
私と同日に登った人々の中に、Tシャツ&Gパンにサンダルの人がいてびっくりしました。
その人の外にも、薄着やパンプスなんかで登頂している方が思いの外多く、衝撃を受けたことを今でも覚えています。
もし急に雨が降ったり、ガレ場で捻挫や擦過傷などの負傷したら彼らはどうなっていたのでしょうか?
本当は、レインウェアや登山靴の準備が不可欠な富士登山です。

富士山の気象 – ふじさんネットワーク 富士山を愛する多くの人々のパートナーシップに基づいて形成されている、ふじさんに関するすべての情報を発信するポータルサイトで www.fujisan-net.gr.jp

危険(リスク)を想定・認識し、備えをすることの大切さ

弾丸登山や軽装で富士山にチャレンジすることは命を危険に晒す行動になりかねない!
先ずは、そういう認識を持つことが第一だと思います。
天候や気温の急変に耐えうる装備を準備し、スケジュールには余裕を持って登山に臨むことが自分や同行者の身を守ることにつながります。

保険の活用

それに加えて、登山保険に入っておくことも強くお勧めいたします。
私は、山登りを始めてすぐ「日本山岳救助機構合同会社(JRO)」に入会しました。
年に数座登るだけだし、最近では3,000m級の山にも行くことのない私ですが「JRO」は毎年欠かさず継続しています。
目的はただ一つ、救助が必要になった時の備えです。

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人気アプリ「YAMAP」にはアプリで加入手続きができるアウトドア保険もあります。

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「有料化」問題について

さて、救助の「有料化」、個人的には賛成です。
様々な意見があると思いますが、以下の5点を理由に支持します。
1)今後、益々人手不足になっていく時代、無料では担い手がいずれいずれいなくなると思うから
2)救助する方にも相当なリスクが生じる(天候などコンディションが悪い時こそ遭難は起こるもの)
3)責任の所在を明確化(装備不足や拙速な行動が招く事故は当事者の自己責任とすべき)
4)費用負担は保険制度の活用で転嫁できる
5)警察や消防の救助も含め有料化する
因みに、YAMAP「外あそびレジャー保険」を利用すれば、保険料580円で、富士登山に想定される一通りのリスク(救助費用、家族の駆け付けに必要な費用、怪我の治療費など)に対応できる補償が受けられます。

ウェルビーイングとの両立

私にとって、山登りはウェルビーイングな大切な時間です。
しかし、万が一のことが起きてしまうと、自分自身だけでなく家族などを巻き込む大事件になるかも知れないということも考えおかなければならないと思います。
もし、富士山(に限らず、山)に登る予定がある方の中に、未だリスクの想定をしていない方がありましたら、ご検討いただくきっかけにして頂ければ幸いです。

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