生命保険、その情報の非対称性

前回の記事「生命保険のことをどれくらい正確に理解しているかを知る」に続き、今回も生命保険についてお伝えしたいと思います。

消費者にとって不利な”情報の非対称性”

「保険って、難しい・・・」、そう感じたことのある方は少なくないはずです。
説明を聞いても、「よく分からないけど、おすすめだと言うから」「友人も入っているから」といった理由で加入してしまった経験はありませんか?
こうした「よく分からないまま保険に入る」という状況には、ある“構造的な問題”が潜んでいます。

保険の売り手(保険募集人)は、商品内容やリスクについて熟知している“保険のプロ”です。一方、消費者の多くは、保険の仕組みや専門用語に詳しいわけではありません。
この“知識の差”=情報の非対称性が、知らず知らずのうちに「誤解」や「すれ違い」を生む原因になっていると思います。
では、その情報の非対称性を解消するためには・・・

保険会社や保険募集人が取るべき行動

例えば、
保険料はずっと変わらない」と思っていたのに保険料が上がった
→ 10年毎に保険料が上がる「更新型」の契約だった
「貯蓄になる」と聞いて入った学資保険、払う保険料のうほが多かった
→ 不要な特約付加により、戻ってくるお金より支払う保険料の方が多いことは良くある
「特約をつけた方が安心」と言われるまま契約
→ 保障を手厚くする程、保険料はどんどん高くなる(掛け捨てになるお金が増える)
「誤解」や「すれ違い」の原因に、「説明はしてもらったけど、きちんと理解できていなかった」ということもあるでしょう。

かつて私が所属した保険会社では、
・3つの保険(定期保険/養老保険/終身保険)の説明をする
・保険料とは、お客様が保険会社に支払う掛金、と言い換える
・保険金とは、万が一の時に保険会社からお客様に支払われるお金、と説明する
など、お客様に誤解なく理解してもらえるよう色々と工夫していました。
前回述べた「定期保険」については3つの保険を説明する中で、「定期預金/定期貯金」と違い「満期になったら何も戻ってくるものがない保険」=「掛け捨てタイプ」の保険、貯蓄タイプは養老保険であることをプランの提案する前に説明していました。

しかし、自分が知らないことや理解できていないことを、他人に申し出ることは非常に難しいことだと思います。
私もその一人ですが、プライドが邪魔したり、余分な説明をさせることへの躊躇いなどから疑問に感じてもそのままにしてしまう方が多いのではないでしょうか。

お客様から質問がないからと言って本当に理解しているとは限らない。
要望がないからといって本当にそれでいいと思っているか、本当に満足しているのか、これらは実際には別問題と考えた方が良いように思います。

全ての保険会社、すべての保険募集人は、お客様が誤解なく理解できるように労を惜しまず、もっともっと工夫すべきではないでしょうか?

そうは言っても自分の身は自分で守る!

しかし、情報の非対称性を解消する「確実な方法」は消費者自らが保険に詳しくなることです。
保険は、人類の叡智が詰まった制度と言われることもありますが、きちんと理解した上で活用しないと、
・保障の漏れが生じることが起こり得る(複数の保険会社で契約する場合など)
・保障のダブりで保険料が無駄になる(同上)
・不要な保障に対する保険料は無駄遣い
・請求漏れ(請求しないことには保険金・給付金は支払われない)
など、無駄な失費になってしまったり、保険が持つ機能が十分に発揮できないことなどが起こり得ます。
また、「保険料がもったいない」と感じている方には、是非もっと保険に詳しくなって、その結果、不要なものが見つかれば「保険料がもったいない」状態から脱出できると思います。

生涯に支払う保険料、多くの方にとってそれはとても大きな金額になるはずです。

人生にとってお金は大切なもの。

大切なお金を使って加入する保険を「よく分からない」ままにすることなく「きちんと理解」できれば、人生はよりハッピーに過ごせるようになると思います。

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